先日、私が所属している
トラストコーチングスクール(TCS)
認定コーチコミュニティ内にて
「ナラティブ」
に関する勉強会を
開催しました!
「ナラティブ(narrative)」というのは
近年、ビジネスシーンで
徐々に注目され始めている
「物語」「話術」「語り」といった
意味を持つ言葉です。
私は、この「ナラティブ」という概念が
これから、人事施策にも
深く入ってくるのではと考えています。
というわけで、今回は
「ナラティブ」のお話を
したいと思います。
ナラティブとは?
ナラティブは「物語」「語り」と
訳されることが多いです。
元々は、文学理論の用語ですが
他分野にも転用されて
それぞれの分野で、
必要な定義が付加されていっています。
非常にざっくりと要旨だけ説明すると、
「物語」ということばで、思いつくのは
「ストーリー」だと思うのですが、
「ストーリー」というのは
客観的に見た物語の流れ
(例:〇〇が■■で△△した、等)
を意味するのに対し、
「ナラティブ」は
「私」が経験した物語の流れ
(例:私が■■で△△した、等)
を指します。
経験、体験を主観的に
自分で、自分の言葉で話したもの
と思ってもらうのがいいかもしれません。
こうした見方は、
1980年代から出てきました。
(ご参考:Amazonサイトです)
ナラティブ・アプローチ
その後、1990年代に
心理学の分野で、
ナラティブという考え方が
普及します。
心理学分野では
「自分の経験や体験を語ることで
課題を明確化し、
別の物語に置き換えていくことで
解決をはかる」
という課題解決の手法として
広まりました。
これは、「ナラティブ・アプローチ」と
呼ばれています。
現在は、組織における
部下支援の手法としても
知られるようになってきています。
(ご参考:外部サイトです)
ナラティブ・アプローチ(「日本の人事部」より)
ナラティブ・マーケティング
近年、ビジネスにおいて
大きく展開されているのが
「ナラティブ・マーケティング」
という手法です。
これは、企業理念を
「ユーザーからの目線」
に沿って表現する形で
マーケティングを展開することで
ユーザーの共感を喚起し
購買へとつなげようとするものです。
ビジネスに携わっている人なら
きっと一度は
「お客様目線で表現すると?」
ということを問われたことが
あるのではないでしょうか。
これも、ナラティブ・マーケティングの
一つの形ですね。
(ご参考:外部サイトです)
ナラティブと人事施策のこれから
そして、今、
注目されつつあるのが
「企業理念の浸透」のために
ナラティブを活用しよう、
という考え方です。
企業理念というのは
言い方を変えると
「自社が、どんな信念を持ち
どう社会と関わっていくか」
を、語ったもの、だとも言えます。
企業理念は、
企業のナラティブなんですね。
それに対し、
社員一人ひとりにも
自分の経験を通して
作り上げてきた
自分自身の体験に基づく
「自分とは誰で、どういう価値観を持ち
誰とどんな風にかかわっていくのか」
というナラティブがあります。
企業理念の浸透に
ナラティブを活用しよう、
というのは
すなわち、
個人の「ナラティブを語る」という経験を通して
「その企業の社員である」
という立場におけるアイデンティティ
も考え、作り上げていく
そんなかかわり方ができないか?
ということ。
これは、
これまで組織運営の一環として
また、1on1に組み込む形で
実質的に
社員のナラティブを管掌してきた
人事部門のミッションとなる可能性が
とても高いと私は考えています。
コーチングとナラティブ
ナラティブを取り扱う時は
必ず、
社員が「話したい」と思って
話してもらう機会
を作ることが必要になります。
そのために必要となってくるのが
「聴く力」や
「アイデンティティの成り立ち」
を学び、
コミュニケーションに組み入れていく
コーチングの技術です。
なので、私自身は
人事として、ももちろんありますが
コーチとして関われる場面も
これから多くなりそうだな、と感じています。
ちなみに、TCSのナラティブ勉強会では
語る・語りを聞く という体験をもとに
ナラティブについて考える時間を作りました。
関心が高い話題だったようで
なんと50人以上もの認定コーチに
参加いただき、
これまでにナラティブ・アプローチや
ナラティブ・マーケティングに
触れてきたメンバーも
まったく初めてこの言葉を
聞いたメンバーも
それぞれ、気づいたことが
あったようです。
Xで多くの認定コーチが
感想をシェアしてくれていますので
よろしければご覧ください。
随時くろいわにてリポストしています^^
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