近年話題にのぼるようになった
「エンゲージメント」という概念。
大手企業を中心に
エンゲージメント調査をやる会社が
増えてきたり
その調査の結果が
会社によっては
有価証券報告書に
人的資本に関する報告の一つとして
掲載されるようになったりして
今、非常に注目が高まっている
ものの一つでもあると思います。
エンゲージメントに影響する、
と言われる要素は
結構たくさんあり、
多くの会社で、
多数の施策が展開されていて
担当の人事担当者には
頭が下がる想いです。
が、一方で。
「エンゲージメントって、結局、何なのか?」
を明確に答えられるかというと
そうではない人も
けっこういるように感じます。
中には、フワッと「やる気の指標」だと
捉えている人も。笑
というわけで、今回は
「エンゲージメント」について
考えていきたいと思います。
1.エンゲージメントとは何か?
そもそも、「エンゲージメント」って何なのか?
実は、人事関連で「エンゲージメント」と言うとき
少なくとも2つの定義があります。
1)ワーク・エンゲージメント
こちらは
「仕事に関連するポジティブで
実した心理状態であり、
活力・熱意・没頭によって
特徴づけられるもの」
と学術的に定義されています。
2)従業員エンゲージメント
一方で、現在、よく話に出る
「従業員エンゲージメント」は、
明確な定義がありません。
従業員エンゲージメント調査も、
各調査会社・コンサルティング会社が
独自にて意義を定め、
その定義に沿って
作成・展開されているのが実情です。
(参考記事)
日本の従業員エンゲージメントの低さを考える|ニッセイ基礎研究所
2.自社における「エンゲージメント」の定義は?
ここでひとつ、考えておく必要があるのが
「自社で言っている”エンゲージメント”は
何を指しているのか?」
ということです。
ワーク・エンゲージメントを指している、
という会社もあるでしょうし
従業員エンゲージメントを指しており、かつ
○○というコンサル会社の定義を
採用している、
という会社もあるでしょう。
もしかしたら、自社で
独自に定義している会社も
あるかもしれません。
ここが曖昧だと、
いろんな施策を展開していくなかで
方向性を見失って
ごちゃごちゃになってしまう可能性が高いです。
「エンゲージメントを高めるために
やるといいこと」は
良いと言われていること、
も含めると
本当にたくさんあります。
だからこそ
施策の取捨選択や
優先順位付けのために
自社でどんな定義を採用し
何を目指しているかを
明確しておく必要が
あるんですよね。
3.エンゲージメントを高めるために必要な「関係性」は?
そして、もう一つ、
考えておきたいのが
「エンゲージメントを高めるために
誰と誰が、どんな関係性を
築いていく必要があるか?」
ということです。
エンゲージメント向上で
よく出てくるワードは
・貢献意欲
・熱意
・愛着
といったもの。
ここに働きかける、ということは
有り体に言えば
社員一人一人の
「心の中」へ踏み込んでいく
ということでもあります。
そのことに、抵抗感を抱く
人も、きっといるでしょう。
だからこそ、
施策を進めていくにあたっては
「人間関係」をより丁寧に
見ていく必要があります。
関係性が良くない状態で
ここに踏み込もうとすれば
エンゲージメントを高めるための施策が
かえって、エンゲージメントを下げる結果に
なりかねないからです。
そして、最後に
エンゲージメントの状態を
判断するのは
社員自身だということも
心に刻んでおく必要があります。
おわりに
エンゲージメント、
とりわけ「従業員エンゲージメント」は
まだ発展途上の考え方です。
再解釈の余地もあるし
工夫の余地もたくさんあると思います。
だからこそ、
たくさんあるアイディアに
振り回されず
自分や、自社にとって
必要なことを選べるために
・自社におけるエンゲージメントの定義は何か?
・エンゲージメントを高めていくために
誰と誰の関係性をより良くしていく必要があるか?
を考えておくことが必要です。
迷子にもなりやすいエンゲージメント施策。
ちょっとどうしようかな、
何をどうやっていこうかな、
と思うことがあったら
ぜひこの二つの問いを
考えてみてくださいね。
こうした問いを通して
考えるあなたの時間が
これから、社員や部下の方が
より気持ちよく成果を出していくための
新たな起点になれば幸いです。