「自己投資が大切なのは理解しているし、自分でも、さらにスキルアップしないといけない、とは思っている。けれども、それなりにお金がかかることが気になって、踏み出せない……」
そう考えている方、多いのでは、と思います。
慎重なのは、けっして悪いことではありません。なんにでもポンポンお金を使っていたら、正直、いくらお金があっても足りませんしね。私自身も、どちらかというと、自己投資にも、まとまった支出にも、かなり慎重です。
とはいえ、お金を払わないと、手に入らなものがあるのも、また事実です。
今日は、「お金のことが気になって、一歩踏み出せていないな」と感じる時に、見直してみたいことのお話です。
1.そのお金は何に対して払うのか
見直したい「たった1つのポイント」。それは、「そのお金を、何に対して払おうとしているのか」ということです。
自己投資をためらっている人の多くが、「技術の習得」にお金を払うのだと思っていますが、実はそうではありません。自己投資、というのは、技術ではなく、あなたが「こうなりたい、こうでありたい」感じている、未来の自分を手に入れるためにするものです。
例えば、「お客様のこんな困りごとを解決できるようになりたい」「大切な人と信頼関係を築きたい」「部下の成長を心から喜べる自分になりたい」といったことを手に入れるために、お金を払うのです。
これは、私自身の苦い経験なのですが、私はかつて、社会保険労務士の勉強を2年ほどしていました。それなりにお金も時間もかけました。
ただ、2年学んで気づいたのは「”この資格を取ったからこそできる仕事”は、私がやりたい仕事じゃない」ということだったんですよね。
けっこう真剣に勉強しましたので、得たものもとても多くありますし、当時身に着けたことは、今でも役に立っています。とはいえ、それでも、この勉強は自分が望む未来に繋がっていない、と気づいた時には、やはりとてもショックでしたし、「この2年、私は何をやっていたんだろう?」と感じました。
知識や技術、経験を手に入れたからといって、それが、必ずしも、自分が望んでいる未来に繋がるとは限りません。
あなたは今、何に対してお金を払おうとしていますか。そして、その「手に入れたい未来」に対して、今払おうとしているお金は、多いでしょうか、少ないでしょうか。
2.コーチングに投資した人は何を手に入れているのか
とはいえ、「手に入れたい未来」と言われても、ピンとこない、と言う方も、いらっしゃるかもしれません。そこで、例として、私がコーチングを学んで得たことを、ここではお伝えしますね。
1)コミュニケーションが改善し、人間関係が良好になった
コーチングの技術というのは、端的に言えば「コミュニケーションの技術」です。
私の場合、コーチングを身に着けたことにより、これまで無意識にとっていた「周りの人と対立してしまう行動」が大幅に減りました。例えば「上から目線」「話を聞いていない(聞いているのに!)」と言われることは、ほぼなくなりました。
会話のやりとりもスムーズになり、必要な人と、より短時間で率直に話せる関係が築けるようになったなと感じます。
元々、かなり人見知りな方で、誰かと会うと、翌日はずっと寝ていたいくらいにぐったりと疲れていました。ですが、コーチングを学んでからは、人間関係のストレスが大幅に減り、人と会うのが苦痛ではなくなりました。
2)副業を通して、ビジネス視点を養えた
会社勤務と並行して、コーチとしての仕事を始めたことで、それまで気づいていなかったビジネス上の動きなどにも、アンテナが立つようになりました。
例えば、人付き合いが苦手だったこともあり、かねてから営業職の方を尊敬していましたが、そうした営業職の方が、何を見て、どんな努力をしているか、というところまで、意識が向くようになりました。また、副業を通して出会った、様々な業種業態、立場の方にお話を聞いたことで、視野も広がりました。
結果として、「誰が何を考え、どんな行動をしているのか」により敏感になり、ビジネス上の動きも、より敏感に感じることができるようになりました。ビジネスも、結局は人が動かしているものですからね。
これは、会社の仕事にも大きく活きています。
3)リーダーシップの幅が広がった
コーチという仕事を通して、多くのリーダー・経営者の方とお話させていただく中で、私自身のあり方についても、大きく見直す機会を得られました。
多くのリーダーと接する、ということは、様々なリーダーシップの形に触れる、ということです。
ただチームを引っ張っていくだけが、リーダーなのではありません。詳細は割愛しますが、中には、思いもよらないリーダーシップの形もありました。
リーダーシップの形を多く知っている、ということは、自分がリーダーとして振る舞うときに、たくさんの選択肢を持っている、ということでもあります。
コーチングは「相手に合わせて、関わり方を全て変えられる」ところが特色の一つです。メンバーに対しする接し方、関わり方のバリエーションの幅を広げていったことが、私自身の成長にもつながっていると感じています。
3.長期的にかかる費用も確認が必要
もう一つ、考えてみたいのは、「長期的にかかる費用」についてです。
どんなことも、一朝一夕では身につきません。継続して学ぶ必要があるものが、ほとんどです。英語もそうですし、他のどんな専門知識も、学んで終わり、というものはないと思います。
そのため、必ず「この自己投資を、いつまで続けるのか」ということを、考える必要があります。
一時投資にお金をかけても、その後、学び続けられなければ、結局は「資格をとっただけ」で終わってしまいます。
私は、トラストコーチングでコーチングを学んだ後も、認定コーチのコミュニティや、プロフェッショナルコーチトレーニグなどを通して、さらにコーチングを学び続けています。今の環境で学び続けたからこそ理解できたこと、身に着けられたことは、とても多いです。
だからこそ、学び続けるための費用をケチって「資格をとっただけ」で終わってしまうのは、もったいないなと感じます。
おわりに
自己投資は、自分が望む未来、自分や周囲の人がより幸せにる未来を手に入れるためにするものです。
あなたが手に入れたい未来は、どんなものでしょうか。そして、そのために、何を学び、どんな環境に身を置きたいでしょうか。
長期的な視点で「得られる価値」と、「そのためにかかる費用」を見てみると、もしかしたら、今まで高いと思っていたものが、安く感じられることも、あるかもしれません。