人事の流れから見る「これから報酬を上げていくためには何が必要か」

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社会の急速な変化に伴って、多くの会社で報酬設計の見直しが行われています。
具体的には、年功序列型から成果報酬型へ、というのが大きな流れになっているようです。

ただ、大きな流れが「年功序列型から成果報酬型へ」だと理解していても、働いている側である自分自身が納得してその流れに乗っていけるか、というのはまた別の話です。

よくお伺いするのは、

「入社してから10年以上、一生懸命真面目に働いてきたのに、今年入ってきた新卒がほぼ同じ給与だった」

というようなお話です。

お気持ちはすごくわかります。私自身も就職氷河期世代で、賃上げのほとんどない時期をずっと過ごしてきましたから。

とはいえ、今変わりつつある報酬の仕組みを理解して、必要ならば新しい基準で評価される行動をとっていかないと、これから先ずっと、このモヤモヤを抱えて仕事をしていくことになります。

今回は、今変わりつつある「報酬の考え方」について見ていこうと思います。

1.何によって報酬は決まっているのか

日本において、報酬、というのは、大きくわけて2種類あります。
ご存じの通り、 ①給与 と ②賞与 ですね。

① 給与

給与は、ご存じのとおり、勤務に対して毎月払われる報酬ですね。

労働基準法で

賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。
賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。
(労働基準法第24条)

ということが決まっています。

② 賞与・一時金

賞与は、1か月以上の期間に対して支払われる報酬です。
支給のペースや計算基準は会社ごとに異なります。
多くの場合、会社業績と連動しており、業績が悪い場合には支給されないこともあります。

このほかに住宅補助といった福利厚生や退職金がある会社もありますが、これらは会社によって仕組みにかなり差があるので、今回は省略します。

2.給与の決まり方

1)給与=「役割」に対する評価へ変化

今、大きく変化しているのが、給与に対する考え方です。

これまでは、多くの会社が、給与は

・過去の会社への貢献への評価
・本人の能力の評価

を元に設定していました。

ですが、近年、ジョブ型の考え方の普及により

・今、どんな責任を負っているか
 =仕事における役割

で設定する形へ、徐々に変わってきています。
少なくとも、管理職はほぼこちらへシフトしているのではと思います。

「長年働いてきた自分の給与と、新人の給与が、ほとんど変わらない……」

とモヤモヤしている方は、ちょうどこの変化のタイミングにいるのかもしれません。

もしそうなら、今後は、自分の責任範囲を広げる、より重い役割(役職)を担う、ということを自ら目指していかないと、給与は上がっていかない、ということになります。

2)役割を果たせるかは「能力×意欲」で判断される

では、どうすれば自分の責任範囲を広げ、より重い役割(役職)を担うことができるようになるのでしょうか?

もちろん、ご自身のいる分野において必要な知識をつけたり、スキルを習得していくことは必要です
また、マネジメント・スキルをしっかり伸ばしていくことも必要になります。

が、実は、同じくらい大事なのが、「上のポジションを目指したい」ということを、上司や周囲に伝えていくことです。

該当ポジションが空いたり、新たに必要になった場合、どんな人がそのポジションに割り当てられるのか?

それは、以下のいずれかです。

・そのポジションの責任が果たせると既にわかっている人
・意欲がある人

既に出来る人がいればもちろん望ましいのですが、そうした人がいない場合は、意欲がある人が優先して登用されます。理由はシンプルで、意欲がある人は、そのポジションで必要なことを、後からでも自ら学んで習得してくれることが期待されるからですね。

大変残念ながら、もし今、あなたの給与が新人と同じくらいなのだとしたら、少なくとも会社や上司からは「新人に任せるのと同程度の責任を任せている人」という位置づけということです。

ご自身で納得がいかないのであれば、自ら、より重い責任、より重い役割を目指していく必要があります。

3.賞与の決まり方

1)賞与=「成果」に対する評価

一方で、賞与は「会社業績」に連動して支給されるのが一般的です。

会社業績のみで決まっている会社も多くありますが、中には「個人の成果」を反映している会社もあると思います。

その場合、個人の成果は、「会社が評価対象として設定した期間に、あなたが何をやったか」で査定されているケースが多いはずです。

「会社が評価対象として設定した期間に、あなたが何をやったか」。

とてもシンプルですが、だからこそ注意が必要なポイントでもあります。
なぜかというと、自分で自分の成果をはっきり説明出来る人は、意外と少ないからです。

2)成果を評価されるためには目標設定が大事

なぜ、自分で自分の成果をはっきり説明できないのか。
それは、「成果の定義」があいまいだからです。

いつまでに、何を達成すれば「成果」とみなすのか。
目標売上高などが決まっている方は明確だと思いますが、そうでない方も多いと思います。

成果の定義があいまいなまま評価面談などに突入してしまうと、自信を持って「これと、これと、これが、ここまでできました」ということが自分で言えません。

そして、この「成果の定義」は、評価のタイミングで考え始めるということが、ほとんどできないんですね。

評価のタイミングでやろうとすると、「たまたまできたことを、都合良く“成果”としていないか?」という疑念を、あなたも上司も持つことになってしまうから。

なので、目標設定のタイミングで、ある程度具体的に「成果の定義」を明確にしておく必要がある。

もし、あなたが「がんばっているのに、イマイチ評価されていないな……」と感じているのなら、それは目標設定で、適切な「成果の定義」ができていないのかもしれません。

その場合、もしあなたが確実に成果を出していきたいなら、上司の支援を受けた方がいいです。

もし上司が支援してくれなさそうなら、外部のコーチからコーチングを受けるなど、自ら成果の定義を明確にしていく動きが必要になります。

4.まとめ

給与は「仕事における、今現在の役割」で決まるもの。
賞与は「評価対象期間中に、成果の定義に照らして、成果であると評価できる結果」で決まるもの。

その観点から見たとき、あなたの今の行動は、いかがでしょうか。

きっと今まで、頑張ってきたことがたくさんあると思います。
その行動を、報酬につながる形でアウトプットし、伝えられていますか?

これから報酬を上げていきたい方や、自分は正当に評価されているのか!? とお感じになっている方は、ぜひ今回ご紹介した視点からも、ご自身の現状を棚卸ししてみてください。

「実は適正な報酬水準だった」
「いや、私はもっと報酬が高くていいはず!」
「今の水準は納得した。これから昇給を目指したい」
「少なくとも、現状の水準を維持していきたい……」

現状がわかるからこそ、考えられることがあります。
ちゃんと、足下を現在地にして、「これからどう行動するか」を考えていきたいですね。

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